ユダヤ人の住宅や事業所に落書き、反ユダヤ主義が動機か フランス
(CNN) フランス首都パリ周辺のユダヤ人の住宅や事業所少なくとも10軒や、北部ルーアンのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)が落書きの被害に遭った。警察が明らかにした。反ユダヤ主義が動機とみられている。
フランスでは10年前、テロ事件が発生した。週刊紙「シャルリー・エブド」の編集部が襲撃され12人が死亡したほか、その後発生したユダヤ食品のスーパーマーケットで起きた事件では5人が死亡した。
警察によれば、パリ郊外のバンセンヌやサンマンデなどの建物が5日から6日にかけて被害に遭った。建物の多くは10年前に襲撃事件があったスーパーマーケットの近くだった。ルーアンでは、ユダヤ教のラビ(宗教指導者)の自宅やシナゴーグも標的となり、反ユダヤ主義の文言やナチスドイツの「かぎ十字」がかかれた。
壁にかかれた反ユダヤ主義の文言やナチスドイツの「かぎ十字」/Lou Benoist/AFP/Getty Images
ルーアンのシナゴーグはこれまでも被害に遭っており、昨年5月には放火の標的となったほか、昨年12月のユダヤ教の祭日「ハヌカ」のときには落書きされていた。シナゴーグを管理する団体の幹部によれば、6日にシナゴーグの壁で見つかった文言には、ユダヤ人をガスで処刑するよう呼び掛けていた。
シナゴーグの前の壁にかかれた落書き/Lou Benoist/AFP/Getty Images
フランスには欧州最大規模のユダヤ人コミュニティーがあるが、フランス・ユダヤ人団体代表評議会(CRIF)によれば、2023年に記録された反ユダヤ主義的な事案の数は1年間で約4倍となり、1676件が報告された。