シュルンプ・コレクション 尽きせぬ情熱が生み出した最高級の自動車博物館
全長6.4メートル、重さ3トンに及ぶ巨大な車体が圧倒的だ。排気量14.7リッター、300馬力のエンジンを搭載し、時速200キロで走行する。値段も重量級で、推定1500万ドルを優に超える。
エットーレの構想では、ロワイヤルは、ロールス・ロイスやメルセデス・ベンツに取って代わり欧州各国の王室の御用達となるはずだった。だが、世界大恐慌により高級車市場が壊滅、この夢はついえる。
最終的に1933年までの数年間に製造されたロワイヤルはわずか6台しかなく、現在は天文学的な値段がついている。同博物館ではこのうち、「クーペ・ナポレオン」と「リムジン・パークワード」の2台のロワイヤルを所蔵している。
館内には他にも、戦前のアルファ・ロメオから戦後のフェラーリ、現代のブガッティ・ヴェイロンまで、歴代のスポーツカーが並んでいるが、同博物館の目玉はやはり、前述した元祖ブガッティの「クーペ・ナポレオン」だ。
1963年、ブガッティ家が財政難に陥った際に売却され、最終的に、シュルンプ兄弟の手に渡った。