航空機内で相次ぐトラブル、ストレス社会が原因か
米ジョージワシントン大学のスティーブン・リビングストン教授は「近年目立ってきた経済力や地位の格差が、これほど明らかになる場所はほかにあまりない」と指摘する。同教授によれば、最初から怒りや不満の感情を抱いた状態で搭乗してくる人もいるという。
これに加えて、今ではだれもがカメラを手にしているという要因がある。ある出来事を一台のスマートフォンがとらえると、それがインターネット上で100万回も再生され、爆発的に広がっていく。米国民の8割近くがスマートフォンを持っているとの統計もある。
一方では、航空会社のスタッフ側も不安を募らせている。トラブルの現場をとらえた動画で経緯が全て分かるわけではなく、誤解を招くこともある。
リビングストン教授は「客室乗務員もピリピリしていることは間違いない」と話す。カメラを構えた乗客に、仕事ぶりを常に監視されているからだ。