過去1200年で最も早かった日本の桜、生態系脅かす気候変動の兆候と専門家
(CNN) 日本の春といえば、まず思い浮ぶのは有名な桜の花かもしれない。桜は日本で1000年以上にわたって親しまれてきた。ところが今年は桜の季節が瞬く間にやって来て過ぎ去った。観測史上、有数の早さだった。専門家はこの現象について、世界の生態系を脅かす大規模な気候変動の症状だと警告する。
大阪府立大学の青野靖之准教授は、日記や文書に記された京都の記録を812年までさかのぼって収集している。同氏によれば、京都市中心部の桜が今年ピークを迎えたのは3月26日で、1200年あまりの歴史の中で最も早かった。
東京の桜の満開は3月22日で、観測史上2番目の早さだった。
米コロンビア大学のルイス・ジスカ氏は、「地球温暖化に伴って春の最後の霜の発生が早まり、開花も早くなっている」と解説する。
桜が満開になる日は年によって異なるが、全般的には早まる傾向がある。青野氏によれば、京都では4月中旬ごろ満開になる時代が何百年も続いたが、1800年代になると4月上旬に移り始めた。それでも3月にまで早まった年は、歴史に記録された中では数えるほどしかなかった。