北朝鮮の白頭山、ユネスコ世界ジオパークに認定 伝説の聖地、抗日の歴史も
(CNN) 北朝鮮と中国の国境をまたぐ朝鮮半島の最高峰、白頭山が、このほどユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界ジオパークに登録された。北朝鮮の自然がジオパークに登録されるのは初めて。
ユネスコは2月に開いた委員会で白頭山について、火山噴火や地形を含めて「印象的な自然・文化遺産」と認定した。
白頭山にある天池は、1000年以上前の噴火でできたカルデラ湖で、標高約2200メートルの地点にある。
北朝鮮の伝説によると、白頭山は、古代朝鮮の始祖とされる檀君の生誕地だった。
北朝鮮の創設者で金正恩(キムジョンウン)総書記の祖父にあたる金日成(キムイルソン)主席は、独立をかけて日本の植民地支配と戦った1940年代の戦争中、この山を隠れ場所に使ったとされる。国営メディアは金日成主席を「白頭山の伝説的英雄」と呼ぶ。
正恩氏の父の金正日(キムジョンイル)氏は白頭山の山頂付近で生まれたという言い伝えがある。誕生時は雪が溶けて太陽が差し込み、花が咲き、新しい星が空に現れたと現地ガイドは説明している。
それを裏付ける歴史的根拠はなく、正日氏はロシアで生まれたという説が有力だ。それでも北朝鮮では一片の疑いもなくこの伝説が語り継がれている。白頭山は単なる山ではなく、国家の聖地とみなされている。