災害時のリーダーシップ 大統領選に与える影響は
これは、ブッシュ前大統領とは対照的だ。2005年のハリケーン「カトリーナ」の際にブッシュ前大統領は適切な対処に失敗し多くの批判を浴びた。
バージニア大学の政治センターで所長を務めるラリー・サバト氏は、「ブッシュ氏の大失敗はこれからしばらくは記憶に残る。大統領やそのスタッフはブッシュ氏の二の舞を避けようとするだろう」と語った。
一方、ロムニー氏は10月29日夜、ウィスコンシン州での政治集会を中止したほか、オハイオで行われる集会を被災地へ送る救援物資を集めるためのイベントに切り替えた。ロムニー陣営は、オハイオ州での選挙活動は継続するという。
ロムニー氏の立場は微妙だ。大規模な選挙活動は控える一方で、復旧を援助する取り組みを誇示するような行動は避けている。
ハーバード大のガーゲン教授は「災害の影響を受けていない州にロムニー氏がいる限り、選挙活動は問題にはならないだろう」としながらも、ロムニー氏には実際のところ、サンディへの対応において担うべき役割がないと付け加えた。
バージニア大のサバト氏も、ロムニー氏に出来ることは懸念を表明することぐらいだろうと指摘する。
ただし、専門家らは、サンディが選挙戦の結果に決定的な影響をもたらすかどうかについては否定的だ。ガーゲン教授は「選挙結果を変えるものではないだろう」との見通しを示している。