オバマ大統領が特別寄稿 米国、私のビジョン

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クリントン元大統領(民主党)は在任中、国民の技能とアイデアに投資すれば、雇用と産業の発展は必ずついてくると考えた。財政赤字の削減と同時に職業訓練や教育、研究、技術開発、医療、退職者支援に予算をかけられるよう、最富裕層に多少の負担増を求める経済政策を取った。その結果どうなったか。2期目が終わるころには2300万件の新規雇用が創出され、所得が増えて貧困率が低下した。財政赤字は転じて史上最大の黒字となった。

ロムニー前マサチューセッツ州知事が示す道は、8年前、クリントン元大統領の退任後に試みられた政策だ。トップ層に一般の人々とまったく違ったルールを認め、財政が苦しいのに富裕層への減税を続け、企業に雇用と利益の国外流出を勧め、大銀行や保険会社の規制を緩和するという考え方だ。これらはそもそも、現在の苦境を招いた政策そのものである。

選挙戦の終盤で、ロムニー知事は変革の旗手を名乗り始めた。私からは以下の言葉を贈ろう。富裕層を中心とした5兆ドルの減税や、軍から求められてもいない2兆ドルの国防費、大銀行や保険会社の権限強化は確かに変革だ。しかし私たちが必要としている変革ではない。

真の変革がどんなものであるか、私たちは知っている。それを今、あきらめるわけにはいかない。

変革とは、どんな年代の人でも、良質な職に就くための技能と教育を得られる国にすることだ。私たちは、銀行が数十年間にわたって学生ローンに過重な金利を課してきた状況を改め、大学に進学する数百万人の費用負担を軽減した。今後は高技術、高賃金の雇用が中国へ流れないよう、数学と科学の教師を10万人採用し、コミュニティー・カレッジでは地域産業界がまさに今必要としている技能の訓練を、200万人の労働者に提供する。

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