巨大竜巻が襲ったオクラホマ、教師たちの勇気が救った命
1年生担任のウェイネル・メイズさんは、子どもたちに「毛虫ごっこをしよう」と声をかけて机の下に入らせ、楽器を弾かせたり大声で歌わせたりして竜巻の通過を待った。外のごう音を聞かせたくない、その一心だったという。
メイズさんのクラスにいる息子を引き取りに来た母親は、「あの建物から子どもたちが無事に出てこられたのは奇跡。先生のおかげです」と話した。
スザンヌ・ヘイリーさんは子どもたちを机の下に集め、その前で待機した。机の脚が突き刺さり、屋根や壁が崩れ落ちてきたが、「子どもの前で取り乱すわけにはいかない」と平静を保った。「この子たちの笑顔や泣き顔を毎日見ているから」と、子どもへの愛情を口にする。
作り付けの本棚がある一角に子どもたちを集め、その上から覆いかぶさる態勢になったシンディ・ロウさんは、崩れた壁のブロックで背中を打った。脳震とうを起こし、足首にひどいねんざを負ったが、命に別条はない。子どもたちは全員無事だった。ある母親は取材カメラの前で、「先生が息子の命を救ってくれたのです」と声を張り上げた。