米情報機関、シリア化学兵器の所在地で意見割れる 軍事介入に支障も
保管場所についての意見が対立している情報機関の組織名には言及しなかった。複数のオバマ政権当局者は最近まで、米国は保管場所のほとんどを把握していると記者団に言明していた。
別の米政府高官は、シリアの化学兵器を追跡する能力への信頼が減じているとも説明。ただ、問題を解決する唯一の手段は諜報(ちょうほう)にしかないとも述べた。
CNNを含めたメディアは過去1年、シリア反体制派との戦闘が化学兵器の保管場所近くに及んだ場合、アサド政権は安全管理を図るため同兵器を定期的に移動させてきたなどと伝えてきた。米国は衛星、通信傍受や要員を通じた諜報収集で移動する化学兵器の所在地を把握しているとも報じてきた。
化学兵器の隠匿場所などで見方がばらつくのは、各情報機関がそれぞれ独自の手段で情報収集や分析に当たることを踏まえれば驚きではないとの指摘もある。米政府当局者は、国家安全保障局(NSA)は通信傍受、国防情報局は軍事情報に頼り、米中央情報局(CIA)は包括的な観点から分析を進める傾向があると説明している。