ISIS攻勢に陰り、守勢目立ち始める 米国防総省が分析
ワシントン(CNN) 米国防総省当局者は8日までに、イラクやシリアで続けているイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の掃討作戦に触れ、イラク内では過去数週間、ISISの守勢が目立ち始め、一時期の攻勢拡大の阻止に成功しているとの認識を示した。
同省のカービー報道官は会見で、米国が主導する有志連合による空爆などでISISの無数の車両、砲撃の陣地や検問所を破壊したと指摘。正確な数字は不明としながらも、殺害した戦闘員らは数百人規模に達すると作戦の成果を強調した。
ISISが過去2~3週間で新たに得た支配地はないとされ、これまで制圧した地域の防衛に追われているという。CNNで軍事問題分析にあたる退役中将は「ISISは戦闘員の給料支払いや支配地の統治で問題を抱えている」と説明。攻略した地域を治める指導者にも欠いていると述べた。
米情報機関や米軍は、ISIS壊滅作戦が同組織の台頭を封じ込んでいるとの認識では一致している。
支配地の住民の間でも評判を落とし、一部の部族が反旗を翻した例もみられるという。米政府高官はイラクやシリアに入国してISISに加わる新たな外国人戦闘員の数が減っている可能性にも言及。