米首都の殺人、すでに昨年と同じ105件 大半が貧困地区で
ワシントン(CNN) 米国のワシントン首都警察本部長などは30日までに、首都内で今年発生した殺人事件が今月28日時点で105件を記録し、早くも昨年通年と同一水準に達したことを明らかにした。
昨年同期の件数は72件で、45%の激増。首都では過去10年、年間の殺人事件件数は減少基調にあったが、今年の数字はこれに逆行するもの。2012年には88件と過去20年間で最低記録を示していた。
首都では今夏、多数の殺人事件が発生。高級住宅地では家族3人と子どもの世話をする女性が殺害される惨事も起きていた。
首都警察はCNNの取材に、殺人事件の増加についてのコメントを拒否。ただ、キャシー・ラニア本部長は公共ラジオ放送NPRのワシントン地区の系列局WAMUで、殺人事件の95%は貧困層が集中して住む第8地区で発生したことを明らかにした。
ワシントンのミュリエル・バウザー市長は27日、殺人事件を減らす対応策を発表。残業で路上巡回に当たる警察官の増員や住宅所有者に屋外で監視カメラ設置を促す奨励策などを打ち出した。
殺人事件の多発に頭を抱えている都市はワシントンだけではない。ボルティモア、ミルウォーキー、ニューオーリンズやセントルイスなども件数の増大に悩んでいる。