オバマ大統領、銃規制を訴える演説で涙
(CNN) オバマ米大統領は5日、ホワイトハウスからの演説で銃規制強化への支持を改めて求めた。過去の銃乱射事件に言及して涙を拭う場面もあった。
オバマ大統領は、2012年にコネティカット州の小学校での銃乱射事件で息子を亡くした父親のひとり、マーク・バーデン氏から紹介を受けて登壇。演説では、米国全体が「危機感」を持って銃による暴力を減らすべきだと訴えた。
演説の最後で同事件に言及した大統領は、「犠牲になった子どもたちのことを考えるたびに怒りを覚える」と述べた。しばらく沈黙して涙を拭った後、「同じことがシカゴの路上では毎日起きている」とも語った。イリノイ州シカゴは、大統領自身の政治活動の原点となった都市だ。
演説の場には、11年に銃乱射事件で重傷を負った後、銃規制を訴えてきたガブリエル・ギフォーズ氏も姿を見せ、総立ちの拍手を受けた。
オバマ大統領は銃の購入者に対する身元調査を徹底するため、銃販売に従事する者はたとえ個人でも届け出を義務付けることなどを柱とする大統領令の発動を決めた。
演説ではこうした措置に抵抗してきた野党・共和党を非難。「銃の問題が持ち上がるたびに聞かされるのは、規制を強化したとしても前回の乱射事件やその前、さらに前の事件を防ぐことはできなかった、だからやっても無駄だろうという議論だ。このような考え方を私は拒否する」と述べた。
そのうえで「世界中のすべての暴力行為や凶行を阻止できるわけではない。だが1つでも阻止できる可能性はある」と訴えた。