新型カンジダ、米で感染拡大 複数の抗真菌薬に耐性
カジンダ・オーリスは2009年に日本で初めて発見され、これまでに十数カ国で感染が報告された。米国ではCDCが昨年8月に7人の症例を報告していた。
カンジダ・オーリスの中には、3種類の主要抗真菌薬すべてに対して耐性をもつ種類もある。米国内の症例の大部分は抗真菌薬で治療可能だったが、アームストロング氏が最近調査したコロンビアでの流行の場合、3種類の抗真菌薬すべてに対して耐性を示し、治療する術がない症例があったという。複数の抗真菌薬に耐性を示す真菌はほかに例がなく、「極めて憂慮すべき事態」だとアームストロング氏は話す。
患者の入院していた部屋を調べたところ、マットレスやベッド、窓枠、椅子、輸液ポンプ、カウンターの表面からもカンジダ・オーリスが見つかった。そうした環境にとどまって患者の間で感染を広げる性質も、人に感染する他の20種類あまりの真菌では見られないという。
ニューヨーク州では確認された71人のうち、5日までに20人が死亡した。ただし、いずれも症状が重い患者だったことから、カンジダ・オーリスが原因で死亡したかどうかは特定できていない。同州衛生当局は、「カンジダ・オーリスは一般の人を危険にさらすものではない。別の理由ですでに体調を崩し、抵抗力が弱った人に対して感染症を起こさせる」と指摘している。