新型カンジダ、米で感染拡大 複数の抗真菌薬に耐性
(CNN) 複数の薬品に対して耐性を持つ真菌の「カンジダ・オーリス」が、米国内の病院や介護施設で感染を広げている。米疾病対策センター(CDC)は18日、米国内で過去9カ月の間に確認された症例数が、7例から122例に増えたことを明らかにした。
カンジダ・オーリスは致死性の高い、重い症状を引き起こす可能性がある。特に病院などで集中治療を受けている患者や中心静脈カテーテルを装着されている患者、抗生剤や抗真菌剤を投与されている患者の場合は大きな危険を伴う。
米国ではニューヨークなど7州の病院で77人の臨床例が報告され、その患者が接触した人物を調べたところ、さらに45人の症例を確認。12日までに計122人の感染が判明した。病院で感染が確認された77人の平均年齢は70歳で、55%以上が男性だった。
ただ、使用できる全ての抗真菌薬に対して耐性を示した真菌は、米国内では報告されていないという。
CDCの専門家ペイジ・アームストロング氏によると、カンジダ・オーリスは世界各地の医療施設で感染が拡大し、かつてのスーパー耐性菌のような状況になりつつある。CDCは昨年6月に、初めて米国内の病院に警戒を呼びかけていた。
これまでの臨床例はすべて検査によって発見された。患者との接触で感染したケースでは症状が出ていないという。ほとんどの患者は病院や施設の同じ病棟に入院していた。
真菌のほとんどは血液から見つかっているが、尿や気道、傷口、胆液、耳でも確認された。「カンジダ・オーリスの感染が拡大しているのは、患者の体に常駐して周辺の環境に拡散できることが1つの理由」。CDCのシャロン・ツァイ氏はそう解説する。