スパイサー米大統領報道官が辞任 広報部長人事に反発か
(CNN) 米ホワイトハウスのスパイサー報道官が21日朝、辞任した。トランプ大統領はこれに先立ち、ニューヨークの金融関係者で選挙陣営の資金調達を担当していたアンソニー・スカラムッチ氏をホワイトハウスの新広報部長に指名し、スカラムッチ氏がこれを受諾。複数の情報筋によると、スパイサー氏はこの動きに強く反発していたという。
スカラムッチ氏は21日午後、ホワイトハウスの記者会見室に初めて姿を現し、スパイサー氏の後任としてサンダース副報道官が報道官に就任すると発表した。
ホワイトハウス当局者や複数の共和党幹部によると、トランプ氏はスパイサー氏を慰留したが、辞任という結果は変わらなかったという。
トランプ氏はサンダース氏を通じた声明で、「私の政権や米国民のためにスパイサー氏が行った仕事に感謝している」などと言及。スカラムッチ氏については、「この政権への重要な補強」と形容した。
一方、スパイサー氏はツイッターで、「トランプ大統領とこの素晴らしい国に仕えてきたのは名誉なことであり光栄だった。8月まで職務を継続する」と表明。21日にはCNNの取材に、辞任したのは「大統領と新チームに一新した状態で渡せるよう」にしたいとの考えからだったと述べた。
ただ、スパイサー氏の辞任はホワイトハウス西棟内の不和を改めて明るみに出した。大統領の側近の間ではスカラムッチ氏の起用をめぐり意見が割れている。
スパイサー氏は在任期間中の大部分にわたり、報道官と広報部長の役割を兼任。トランプ陣営関係者とロシア当局者のつながりに関し連邦捜査が拡大していった件を始め、相次ぐ論争へのホワイトハウスの対応を統括した。