気象キャスターが差別語で解雇に、本人は「言い間違い」と主張 米
(CNN) 米ニューヨーク州ロチェスターのテレビ局「WHEC―TV」の気象キャスターが、放送中に黒人への差別語を使ったとして非難を浴び、解雇された。本人は「言い間違いで、悪意はなかった」と主張している。
WHECの気象キャスター、ジェレミー・カッペル氏は4日夜の番組で、米公民権運動の指導者マーチン・ルーサー・キング牧師にちなんで名付けられたロチェスター市内の公園に言及した際、「マーチン・ルーサー・クーン」と言いかけ、直後に「キング」と訂正した。
「coon(クーン)」は黒人を侮辱する差別語に当たることから、この場面が週末にかけてソーシャルメディア上で拡散した。
ロチェスターのウォーレン市長と市議会は6日、「WHECが人種差別発言を放送したことは間違いであり、容認できない」とする共同声明を発表。同局がただちに謝罪しなかったことも非難し、カッペル氏を降板させて局の対応を改めて調査するよう求めた。
同市の黒人ジャーナリスト協会(RABJ)もこの日、同様の非難声明を出し、局に説明を求めた。
WHECは同日、社内での調査、検討の結果、カッペル氏の解雇が決まったと発表し、差別発言を流したことと事態把握が遅れたことを謝罪した。
一方、カッペル氏は7日夜、フェイスブックに投稿した動画の中で「単なる誤解だ」と強調。自分は常日頃から早口でリポートする傾向があり、この時もキング牧師の名前を言おうとして舌がもつれただけで、それが差別語に聞こえるとは思ってもみなかったと訴えた。
同氏は「気分を害された方には心から謝罪する」としたうえで、「気象キャスターとしての20年のキャリアがこんな形で終わってしまうとは」と、局の援護が得られなかったことに「深い失望」を示した。