移民支援ボランティア、自然保護区立ち入りで有罪に 米
(CNN) 米アリゾナ州南部のメキシコ国境付近で自然保護区に無断で入り、不法入国者のために水と食料を置いて立ち去ったボランティアのグループが、米連邦裁判所で有罪の判決を受けたことが23日までに分かった。
有罪になったのは、地元キリスト教会系の移民支援団体「ノー・モア・デス」のボランティア4人。2017年8月に、メキシコ国境のソノラ砂漠にあるカベザ・プリエタ国立野生生物保護区へ飲料水と豆の缶詰を届けたとされる。
4人は18日、許可を得ずに保護区へ立ち入り、持ち物を遺棄した罪で有罪を言い渡された。最大で禁錮6カ月、罰金500ドル(約5万5000円)の刑を言い渡される可能性がある。このうち1人の女性は、保護区内で車を運転した罪にも問われた。
ノー・モア・デスによると、同じようにこの保護区に水と食料を届けたほかのメンバー5人も、2月から3月にかけて裁判にかけられる予定。さらにもう1人のボランティアが、支援活動を共謀した重罪などに問われているという。
同保護区では2001年、一度に少なくとも14人の不法入国者が死亡する事件があった。米国とメキシコの当局が調べたところ、このグループは仲介業者に置き去りにされた可能性が明らかになった。同団体によれば、周辺では01年以降、計155人の不法入国者が死亡している。
ノー・モア・デスのボランティアの1人は「のどが渇いて死にそうな人に水をあげるのが違法なら、この国の法律のどこに人間性が残っているというのか」と抗議している。