米アラバマ州上院、中絶ほぼ全面禁止の法案を可決
(CNN) 米アラバマ州で14日夜、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁止する法案が上院を通過した。アイビー知事が6日以内に署名すれば成立し、6カ月後に発効する。
法案は多数派を占める共和党が提案し、25対6の賛成多数で可決された。下院は今月初めに通過していた。
中絶手術を執刀した医師に最大で禁錮99年と、事実上の終身刑を科す厳格な内容だ。
妊娠が医学的に確認できる時点以降の中絶手術が禁止される。例外は子宮外妊娠で母体の「重大な危険」を回避する場合と、胎児に致命的な異常がある場合に限られる。
民主党は強姦と近親相姦による妊娠を対象から外す修正案を出したが、反対多数で却下された。
共和党のアイビー知事は法案への賛否を明言していないが、これまで中絶反対の立場を示してきた。
人権団体と中絶擁護団体は法案が成立した場合、中絶を女性の権利として認めた1973年の最高裁判決に違反するとして、数週間以内に訴訟を起こす構えだ。
法廷闘争となった場合、最高裁まで到達するのは数年先になるとみられる。
胎児の心音が確認できるようになってからの中絶を禁止する「心音法案」は、すでに複数の州で可決されている。ジョージア州でも今月、知事の署名を経て法律が成立した。
中絶禁止法の違憲性をめぐる訴訟は全米ですでに14件起きているとされ、このうち2件が最高裁で審理されている。