米国務省、イラクの大使館員や民間人に出国指示 イラン情勢緊迫化受け
ワシントン(CNN) 米国とイランの間で緊張が高まる中、米国務省は15日、イラクで緊急性の低い業務を担当する大使館職員などに対し、イラクからの出国を命じた。
国務省高官は記者会見で、イランとの対立を「差し迫った脅威」と位置付け、イラクからの出国命令は慎重を期すための措置と説明した。
これに先立ち国務省は、イラクの首都バグダッドにある米大使館とアルビルにある米領事館で、緊急性の低い業務を担当する職員に出国を命じると発表していた。ビザ発給に関する通常業務も一時的に停止する。
民間の米国人に対しては、既にイラクへの渡航自粛を呼びかけており、15日には、民間の輸送手段を使ってできるだけ早くイラクから出国するよう勧告した。
国務省高官は、米大使館が標的にされる可能性があるのかどうかについては言明しなかった。ただ経験上、「我々を狙う相手は、標的が外交施設か軍事施設かを区別しない」とした。
国務省が指摘する脅威には、イランが関与する複数の民兵組織が含まれる。状況のエスカレートや脅威に関する報告は、2011年に米軍がイラクから撤収した後の状況を思い起こさせるとしている。
別の国務省高官はCNNに対し、こうした情報をもとに、中東全土で米大使館の警備を強化していることを明らかにした。
国務省高官は記者団に対し、イランでの軍事行動の可能性については「どのような相手とも、軍事衝突の意図や関心は一切ない」と強調している。