トランプ氏、「イランは抑制しているようだ」 報復攻撃受け演説
(CNN) トランプ米大統領は8日、イランによるイラク駐留米軍基地への攻撃を受けて演説し、「イランは抑制しているようだ。全ての当事者と世界にとって良いことだ」と述べ、緊張が緩和に向かう可能性を示唆した。
イランは同日、米国が革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」の司令官を殺害したことへの報復として、イラクにある2つの米軍駐留基地にミサイルを発射していた。米国人のいる地域を意図的に外したとの見方もある。
この攻撃についてトランプ氏は、早期警戒システムが機能して、米国人やイラク人の犠牲者は出なかったと指摘した。
トランプ氏は緊張緩和を模索する狙いとみられるが、イランに行動の余地は与えず、実質的に「最大限の圧力」政策を維持。イランに追加制裁を科す方針を示したほか、米同盟国に対し核合意から離脱して新協定の交渉を進めるよう求めた。
トランプ氏は「米国は直ちにイラン政府に追加の懲罰的な制裁を科す」と表明。さらに、ミサイル攻撃への対応として他の選択肢も検討中だとしている。
追加制裁については「イランが行動を改めるまで継続する」とも述べ、「イランはここ数カ月だけでも公海上で船舶を拿捕(だほ)し、サウジアラビアへ一方的な攻撃を仕掛け、米国の無人機2機を撃墜した」と指摘した。
さらにトランプ氏は「我々のミサイルは大きく強力で、破壊的であり、速い」と述べ、米軍の即応態勢に明示的に言及した。
その一方で、「こうした素晴らしい軍と装備を有しているからといって、使う必要はない」とも説明。「軍事力は使いたくない。アメリカの軍事力と経済力が最大の抑止力となる」とした。