米、「アラビア半島のアルカイダ」指導者を殺害 イエメン
(CNN) 米ホワイトハウスは6日、中東イエメンで実施した空爆で、テロ組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」指導者のカシム・リミ容疑者を殺害したと発表した。
CNNは先週、米軍がリミ容疑者を狙った空爆を実施したと報道。国防総省に記事に関するコメントを求めたものの、回答は得られていなかった。
米政府はリミ容疑者に関する情報に1000万ドル(約11億円)の懸賞金をかけていた。
米軍はこのところ、中東で有力指導者の排除に立て続けに成功している。トランプ大統領は1月、イラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官に対する空爆を指示。昨年10月には、米軍がシリア北部で夜間急襲作戦を行い、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の最高指導者バグダディ容疑者を殺害した。
リミ容疑者はバグダディ容疑者やソレイマニ司令官と同列の存在ではないものの、今回の殺害が重要な節目であることに変わりはない。リミ容疑者はトランプ大統領の就任間もない時期から米国の殺害目標となっていた。
ホワイトハウスは6日の声明で、「(リミ容疑者の)死により、AQAPや世界のアルカイダ運動の力はさらに削がれることになる。国家安全保障に対する脅威を除去することにまた一歩近づく」と述べた。
リミ容疑者はAQAP軍事部門の元トップで、2015年に無人機攻撃でナセル・ウハイシ容疑者が死亡した後、後継指導者の座に就いたとされる。
AQAPは09年の創設以来、多くの専門家からアルカイダの支部の中で最も危険な組織のひとつと考えられてきた。15年にパリで起きた風刺雑誌の事務所への襲撃では、AQAPが犯行声明を出したものの、専門家の間で事件の黒幕との確認は取れていない。