米夫婦、私道の抗議デモ参加者に銃器向ける 動画が拡散
(CNN) 米ミズーリ州セントルイスで、市長宅へ向かおうとする抗議デモ参加者が私道を通行した際、男女の2人組が銃器をもって家から現れ、参加者に銃器を向けながら言葉を発する出来事があった。この様子は動画で撮影され、ネット上に広がっている。
CNNが入手した動画は、市内のポートランド・プレースと呼ばれる街路にある家屋の外で撮影されたもの。現場はクルーソン市長の自宅に近い私道で、日時は28日の午後7時半ごろだった。
動画ではロングライフルを持った男性1人と拳銃を持った女性1人が家の外に現れ、通行するデモ参加者らに向けて銃器を構えている。デモ参加者らは、警察改革を支持する人々の氏名と住所を公表するという市長の決定に抗議するため市長宅に向かうところだった。
当時の状況を目撃していた地元記者によると、銃器を見せてのやり取りは10分ほど続いた。デモ参加者の人数は500人前後。市長宅に続く道路の閉鎖を迂回(うかい)する形で、ポートランド・プレースを歩いていたという。
当該の男女は夫婦で、現在は身元もわかっている。63歳の夫はCNN系列局KMOVの取材に答え、100人以上の群衆がポートランド・プレースの歴史ある鉄の扉を突き破り、自分の家めがけて押し寄せてきたと主張。自分たち家族は外で夕食を取っていたが、それを見て命の危険を感じたという。
CNNが入手した不動産記録から、現場の不動産は夫婦の所有であることが確認された。市当局はCNNに対し、ポートランド・プレースが私道であると確認した。
夫婦の弁護士は、平和的なデモ参加者が夫婦から軽蔑的な態度をとられたわけではないと説明。平和的な参加者に紛れ込んだ数人が暴力的な行為や施設の破壊などをはたらいたため、不安と恐怖は重大かつ切迫したものになったと主張した。
また夫婦は「自分たちの敷地内で合法的に」振る舞ったとし、「恐怖と不安にのみ由来する行動で、人種に関連して起こしたものではない」との見解を示した。
夫婦とデモ参加者との間で交わされた言葉の内容は、動画からははっきりと聞き取ることができない。
セントルイス警察はCNNに対し、この事案について調査していることを明らかにした。