新規感染件数が減少、専門家は引き続き対策の継続呼び掛け 米
(CNN) 米国では新型コロナウイルスの新規感染者が減少基調にあるほかワクチンの接種も進んでいるが、専門家は引き続きマスクの着用と社会的距離の確保といった2つの主要な対策の継続を呼び掛けている。
理由としては、新規感染件数が昨夏と同水準にあるほか、より感染しやすいとみられる変異ウイルスが今にも流行し始めることを示唆する手がかりが増えているためだ。
ジョンズ・ホプキンス大学によれば、米国の新型コロナウイルスの過去1週間の1日あたりの新規感染件数は約5万7400件と前週比で14%減少しており、これは流行がピークだった1月初旬の約25万5380件よりもかなり少ない。
しかし、これは昨年の夏と同程度の水準で、当時の1日あたりの新規感染件数は6万7000件超だった。また、流行がいったん落ち着いた昨年9月の同3万2500件よりも多く、秋から冬にかけて新型コロナウイルスは再び流行した。
国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、感染急増の危険性を下げるには日々の新規感染件数を1万件未満にする必要があると繰り返し指摘している。
英国で最初に見つかった感染力が強いとされる変異株「B1.1.7」が流行する可能性があることももう一つの懸念材料だ。
ミネソタ大学感染症研究政策センターのマイケル・オスターホルム所長は、米国の検査でB1.1.7が新型コロナウイルスに占める割合は30~40%と数週間前の1~2%から増加したと述べた。オスターホルム所長によれば、欧州では割合が50%に達して、B1.1.7の感染件数が急増したという。
新型コロナウイルスによる入院者数と死者数も減少している。
保健福祉省によれば、米国の新型コロナウイルスによる入院者数は7日時点で約4万3100人となり、1カ月前の約半分の人数となった。
ジョンズ・ホプキンス大学によれば、新型コロナウイルスによる過去1週間の死者数は1日あたり平均1502人と前週比で22%減少した。これは11月30日以降で最も少ない水準となっている。