米軍、1958年に中国への核使用を検討 沖縄含む米軍基地への報復も想定
統合参謀本部議長は、そうなれば台湾と沖縄の米軍基地が核で報復されることは「ほぼ確実」だと認めたうえで、「離島を守ることが国家の政策であるならば、その結果は受け入れなければならない」と強調したとされる。
当時の中国はまだ核開発が進んでいなかったことから、核の報復があるとすればソ連からの攻撃が想定され、そうなればさらに壊滅的な国際衝突に発展していた可能性もある。
統合参謀本部としては、核兵器の使用は避けられないとの見方だった。
空軍の太平洋担当最高司令官は、中国による離島攻撃に対する米軍の航空作戦について、「最初から核兵器を使用しない限り、成功の可能性はない」と言い切った。
最終的にはアイゼンハワー大統領が核兵器の使用を思いとどまり、米軍には通常兵器のみを使用させた。
台湾海峡では1958年10月6日に停戦が成立した。しかし中国と台湾の緊張状態は今も続いている。
今、再び軍事的緊張が高まる中で、エルズバーグ氏はニューヨーク・タイムズ紙のインタビューの中で、台湾をめぐる新たな戦争の可能性を憂慮して今回の文書を提供したと語っている。
同氏は23日のツイートで双方に自制を促し、「この秘密の歴史を教訓として、狂気を繰り返してはならない」とジョー・バイデン米大統領に呼びかけた。