パウエル元国務長官、生前インタビューで闘病生活に言及 「気の毒に思わないでほしい」
(CNN) 18日に死去したコリン・パウエル元米国務長官が著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏に対し、多発性骨髄腫やパーキンソン病との闘病について打ち明けていたことが分かった。生前に実施された最後のインタビューとみられている。
パウエル氏はウッドワード氏に2年近く多発性骨髄腫と闘っていることを明かした後、「お願いだから、私を気の毒に思わないでほしい。私は(もう少しで)85歳だ」と言及。「2つの病気との闘病で1日たりとも人生が失われたことはない。調子は良い」と述べていた。
黒人として初めて国務長官や統合参謀本部議長を務めたパウエル氏は18日、新型コロナウイルス感染症の合併症のため死去した。84歳だった。多発性骨髄腫は血液細胞の一つである形質細胞のがんで、人体の免疫反応を低下させる。
パウエル氏はインタビューで、病院には自ら車を運転して検査を受けに行っていると説明。「(病気について)公表はしていないが、友人の大半は知っている」と語っている。
ウッドワード氏による電話インタビューはトランプ前大統領に関する新著「Peril(原題)」に収録するため7月12日に行われたもので、CNNはその音声記録を入手した。
インタビューの内容は1月6日の米議会議事堂襲撃事件やトランプ前大統領、パウエル氏の戦争観、面識がある中で一番偉大だと思う人は誰かなど、多岐にわたる。
会話が議事堂襲撃事件に及ぶと、パウエル氏は「恐ろしい」ことが起きたと言及。トランプ氏には「政府を転覆する目的」があったとの見解と述べた。
戦争観や「気乗りしない戦士」とのあだ名についての質問には、「それについて聞かれた時はいつも『その通りだ』と答えている。私は戦争が好きではない。戦士にはなりたくない」と語る一方、「戦争となれば相手をたたきのめして勝利するため、できることを全てやる」「それがパウエル・ドクトリンとして知られるものだ」と述べている。
米軍のアフガン撤退にはついては問題ないとの見方を示した。ただ、このインタビューはイスラム主義勢力タリバンが8月に実権を握り、米軍撤退を前に米国が米国人やアフガン人の退避に苦慮する状況になる前に行われた。
「アフガニスタンでは勝てない。アフガニスタン人が勝つ」「自国のために戦って死のうとする戦士がたくさんいる。彼らは今それをしていて、勝とうとしている。それが米国の撤退に問題がないと考える理由だ」とパウエル氏は語った。