米、アフガンからの避難民の本国送還を検討 審査通らない人を対象に
(CNN) バイデン米政権が、東欧コソボの米軍基地にいるアフガニスタンからの避難民のうち、米国への入国審査を通らなかった人をアフガニスタンに送り返す検討をしていることがわかった。事情に詳しい3人の当局者が明らかにした。
アフガニスタンへの送還は検討中の選択肢の一つに過ぎず、複雑な法的問題もはらむ。だが、避難民が米国の安全保障上の審査を通らなかった場合にどこに再定住させるのかという課題に、米政権内ではまだ答えが出ていない。
8月終盤の混乱に満ちた退避作戦で、米政府は欧州や中東の各国に数万人の避難民を処理する施設を立ち上げた。米国に来たのは約7万人で、残りはパートナーの第三国に向かい、より大掛かりな審査が必要な場合にコソボのボンドスティール基地に送られた。
情報筋によると、同基地にいるのは家族も含めて約200人と少ない。米国はコソボ政府と最大1年間避難民を収容することで合意している。
同基地に移送された多くの避難民が既に審査を通り、米国に移動している。ある政権幹部は先週CNNに対し、最終的に米国への入国の資格がないと判定された人はまだいないと語った。
ただ、米当局者や議員の間では、もし審査を通らない者がいた場合、適した選択肢はほとんどなく、米軍基地に長期間とどまらざるを得ない可能性があるとの懸念が存在する。
状況に詳しい情報筋は、同基地にいるアフガニスタン人は不安を感じていると語る。多くの人がこの基地に連れてこられた理由や今後の滞在期間を把握しておらず、ここにいたということで「テロリスト」の烙印(らくいん)を押されるのではないかとの懸念を抱いているという。
前述の政権幹部は、同基地に移送された人の安全上の注意情報は数時間や数日で解決される類のものではないと指摘。審査には複雑なものがあり、連邦捜査局(FBI)などの当局者が米国のつかんだ情報について質問をする場面もあるという。
米国家安全保障会議のホーン報道官は米国在住を希望するアフガニスタン人は入国前に安全保障上の審査とワクチン接種を受けなければいけないと言及。「我々の対テロや諜報(ちょうほう)、法執行のプロが追加の審査が必要と示した人物がいるということは、我々のシステムが機能していることを示している」とも語った。