米FDA諮問委、ノババックス製ワクチンの緊急使用許可を検討へ
ノババックスは3日、このリスクについて、ワクチンを接種したグループで0.007%、プラセボ(偽薬)グループで0.005%とほとんど差がなく、因果関係を確立する証拠は不十分だと主張した。
FDAの諮問委員会では、「18歳以上を対象とした2回接種のメリットがリスクを上回るかどうか」が採決にかけられる。
ノババックスがFDAにEUAを申請したのは1月末。これに先立ち、昨年11月にはインドネシアが、世界で初めてノババックス製ワクチンの緊急使用を承認していた。その後、欧州連合(EU)や英国、カナダ、韓国、オーストラリア、インド、フィリピン、ニュージーランドなどが相次いで承認した。
米国内ではすでに大半の成人がワクチン接種を済ませているが、ノババックス製ワクチンは当初のワクチンの種類にかかわらず追加接種の候補になり得ると、同社は強調してきた。
ノババックス製はファイザーとモデルナが開発したメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンとは違い、たんぱく質をベースとした従来型ワクチン。蛾(が)の細胞に新型コロナウイルスの表面を覆うたんぱく質を作らせ、それを基に合成したウイルス様の抗原を接種する。
EUA申請中のオリジナル型とは別に、オミクロン株に特化したワクチンの開発も進んでいる。同社は今週、このワクチンの有効性と安全性を確かめる第3段階の臨床試験が始まったと発表した。
オーストラリアでの臨床試験に1000人以上が参加するという。ファイザーまたはモデルナ製の接種を済ませて3~6カ月が経過した時点で、ノババックス製のオリジナル型かオミクロン株対応型、またはその2つを混合したワクチンを2回接種する。試験期間は約10カ月で、今年中には初期結果が出る見通しだ。