米政府、ウイグル産品の輸入を全面禁止 強制労働に懸念
(CNN) 米政府は21日、昨年成立した「ウイグル強制労働防止法」の施行を受け、中国西部の新疆ウイグル自治区で生産された全製品の輸入を禁止した。
新疆ウイグル自治区については、ウイグル族など民族・宗教的少数者が強制収容所に入れられるなどの人権侵害を受けていると人権団体が訴えていた。
2021年末に成立したウイグル強制労働防止法に基づき、ウイグル産品の米国への輸入は全て米税関・国境警備局(CBP)が阻止する。同地域外の企業であっても、ウイグル自治区やウイグル自治区政府とつながりがあり、強制労働に加担したと米商務省が見なした企業の製品は禁輸の対象となる。
「輸入の再開を望む場合、強制労働によって生産された商品ではないことを示す『明白かつ説得力のある証拠』を当局に提示しなければならない」とCBPは説明している。
米国務省のアントニー・ブリンケン長官はウイグル産品の禁輸について、バイデン政権が強制労働との闘いに尽力している証しだと強調した。
一方、中国商務省は21日、禁輸には「断固として反対する」と述べ、「両国の企業と消費者の利益が著しく損なわれる」と反発。国益を守るために「必要な措置」を講じる構えを示した。
CBPはここ数年でウイグル産品の輸入制限を強め、20年には綿の輸入禁止を発表している。
米国務省の推計によると、17年以来、200万人ものウイグル族などが強制収容所に入れられ、拷問や身体的・性的暴行、強制労働といった残虐かつ非人道的な扱いを受けたり、死亡したりしている。
中国はこうした施設を「職業訓練センター」と形容し、そうした施設は19年に閉鎖されたと主張。新疆ウイグル自治区での人権侵害については一貫して否定している。