警察による「殺傷力もつロボット」の使用、市議会が承認 米サンフランシスコ
(CNN) 米サンフランシスコ市議会は、警察が特殊な状況で殺傷力をもつロボットを配備することを認めるとした指針を、8対3の賛成多数で承認した。
同指針は、「一般人の人命が失われる危険がある場合、あるいは差し迫った状況にあって、警官が代替力を行使しても脅威を制圧できない場合」、殺人を目的としたロボットの使用を認める内容。11月29日の市議会で承認された後、2回目の投票を経て、市長が承認する必要がある。
採決を前に白熱した論議が行われ、殺傷目的でロボットを使用する場合、サンフランシスコ警察の幹部2人の承認を必要とするという修正が加えられた。
警察の広報はワシントン・ポスト紙の取材に対し、ロボットは保有しているが、銃を持たせる計画はないと説明。ロボットは爆弾を装備して要塞(ようさい)化された構造を突破したり、警官の命を危険にさらすことなく容疑者と接触し、無能力化させる目的で使用したりできると言い添えた。
サンフランシスコ警察のビル・スコット本部長は11月30日、CNNの取材に対し、殺傷力を持つロボットは「最後の手段」として特殊な状況でのみ使用すると強調。罪のない人たちの命がかかっているか、既に失われている状況で、相手を無力化させる手段がほかにない場合にのみ使用するとした。
さらに、ロボットは特別な訓練を受けた警官が遠隔で操作し、「自律型」や「事前にプログラミングされた」ロボットは使わないとしている。
特に、銃乱射事件を起こした容疑者を、警官の命を危険にさらすことなく取り押さえるうえでロボットが役に立つとスコット本部長は述べ、「そうした大量殺人はあまりに多い」「それがここで起きた場合、警官が職務を遂行するための道具を提供する必要がある」と話している。