戦闘機を緊急発進させた小型機、パイロットが低酸素症で意識喪失か 米
(CNN) 米首都ワシントン近郊を飛行して戦闘機が緊急発進する事態を引き起こした小型機の墜落事故で、操縦していたパイロットが意識を失ってぐったりした様子だったことが分かった。関係者がCNNに明らかにした。
4日に墜落したプライベート機のセスナ560サイテーションVには、パイロット1人と乗客3人が搭乗していた。米連邦航空局(FAA)の5日の発表によると、同機はバージニア州の森林地帯に墜落し、搭乗者全員が死亡した。
同機に対しては管制官や民間機が通信を試みたが、パイロットも乗客も無反応だった。関係者によると、捜査当局はその原因として、血中の酸素が不足する低酸素症だった可能性が大きいと見ている。
航空専門家によると、低酸素症は高高度を飛行する際に起こり得る症状で、セスナ機の機内の減圧によって引き起こされた可能性がある。テネシー州からニューヨーク州に向かっていた同機は3万4000フィート(約1万メートル)の高度を飛行しており、気圧が低下してから30~60秒以内に酸素マスクを装着しなければ意識を失う恐れがある。
同機は離陸から15分後にFAAとの通信が途絶え、その約8分後、FAAは軍や国土安全保障機関などでつくる「ドメスティックイベンツネットワーク」に連絡を取った。
捜査当局は、同機の自動操縦装置の機能に着目している。同機は方向転換して引き返し、およそ480キロ以上飛行した後に墜落した。
墜落現場入りした国家運輸安全委員会(NTSB)の捜査責任者は5日、「パイロットがいつ意識を失ったのか、同機はなぜあの飛行経路をたどったのか」について調べると記者団に語った。