民主シフ議員、バイデン氏に撤退要請 米大統領選
(CNN) 米民主党のアダム・シフ下院議員(カリフォルニア州選出)は17日、秋の大統領選で2期目を目指すバイデン大統領に対して撤退するよう要請した。13日に発生したトランプ前大統領の暗殺未遂事件以降、バイデン氏の撤退を求める初の動きとなる。
撤退要請を表明している民主党議員は他にもいるが、シフ氏は「スイングステート(揺れ動く州=激戦州)」選出ではないという点で異なる。同氏はまた、ペロシ元下院議長とも近い。
シフ氏は声明で「バイデン氏自身が決めることだが、バトンタッチする時が来たと思う。撤退を決め、我々がトランプ氏を打ち負かすことができるようにすることで、指導力というレガシー(遺産)を残せる」と述べた。
シフ氏はトランプ氏を最も激しく批判してきた議員の一人であり、下院での同氏の弾劾(だんがい)訴追を主導した。
シフ氏は声明で「国は岐路に立っている」と指摘。「トランプ氏が再選されれば民主主義の根幹が損なわれる」とした上で、バイデン氏がトランプ氏に勝利できるか深く懸念していることを明らかにした。
先月行われたCNN主催の大統領選候補者の討論会でバイデン氏が精彩を欠いた後、シフ氏はバイデン氏の出馬について「最良の情報に基づいた判断を下すことに時間を割くべき」と述べるにとどまっていた。
民主党内では、バイデン氏がトランプ氏に勝つことができず、大統領選と同時に実施される上院選にも影響を及ぼすのではないかと懸念されており、バイデン氏の出馬に関しては反応が割れている。
バイデン氏撤退を求める声が増えているにもかかわらず、CNNの報道によれば民主党全国委員会(DNC)は来月シカゴで開く党大会に先駆けてバイデン氏を大統領選の候補者に事実上指名する方向で計画を進めているという。