反ユダヤの暴行や嫌がらせ、全米で激増 反イスラムの偏見も最多
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区の武装組織ハマスによるイスラエル襲撃から7日で1年になる。米ユダヤ系団体「名誉毀損(きそん)防止連盟(ADL)」がまとめた暫定値によると、米国内で起きたユダヤ人に対する暴行や嫌がらせはこの1年で約3倍に増えた。
ADLによれば、2023年10月7日から24年9月の間に発生した反ユダヤ事案は1万件を超え、前年の3325件から急増した。同団体が統計を取り始めた1979年以来、12カ月間の件数としては過去最多だった。
イスラエルとハマスの戦争が始まって以来、ユダヤ人、イスラム教徒、アラブ系を標的とするヘイトクライム(憎悪犯罪)や偏見も全米で急増している。
米イスラム関係委員会(CAIR)は今年4月、反イスラムの偏見について23年に寄せられた報告が8061件に上り、同団体が集計を始めた28年間で最多だったと発表した。
ADLによると、反ユダヤ事案の内訳は身体的暴行が150件以上、破壊行為が1840件以上、言葉や文字による暴言や嫌がらせは8000件を超えている。
米国の大学キャンパス内で起きた反ユダヤ事案は少なくとも1200件に上り、前年比で6倍の激増だった。
米各地の大学では今年、ガザ攻撃を続けるイスラエルに対し、何千人もの学生らが親パレスチナの抗議デモを展開していた。