トランプ氏、国有林の商業伐採推進する大統領令に署名 関税対象のカナダ木材依存脱却
FEAの北米木材部門担当副社長、ロッキー・グッドナウ氏は、国有地での伐採拡大によって米国内の木材供給は増えるが、それらがすぐにカナダ産に取って代わるわけではないと指摘する。
製材工場の新設のほか、地方での労働力の育成や伐採能力の拡充には時間がかかるからだ。
環境保護の観点では、国有地の伐採拡大には多くのリスクが伴う。

伐採された国有林の木々=2023年12月17日、米ニューハンプシャー州チャタム郊外/Andrew Lichtenstein/Corbis News/Getty Images
大統領令は、伐採の連邦規制が「山火事のほか魚や野生生物の生息地の悪化につながっている」としているが、環境法団体「アースジャスティス」は、伐採によって温暖化物質が放出され、気候危機をさらに深刻化させると警告する。
「気候変動による気温上昇で森林が乾燥し、火災リスクが高まっている上に、伐採で残される針葉や落ち葉が追い打ちをかける」(アースジャスティス)
また、伐採によって水質が汚染され、絶滅危惧種保護法で保護されている400種あまりが危険にさらされると指摘する専門家もいる。