トランプ氏、カナダへの「50%関税」措置を撤回 オンタリオ州は電力値上げを停止

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トランプ氏はカナダから輸入する鉄鋼・アルミニウムへの関税を50%に引き上げる措置の撤回を示唆した/Nick Iwanyshyn/The Canadian Press/AP

トランプ氏はカナダから輸入する鉄鋼・アルミニウムへの関税を50%に引き上げる措置の撤回を示唆した/Nick Iwanyshyn/The Canadian Press/AP

(CNN) 米国のトランプ大統領は11日、異例の貿易戦争の激化から撤退した。カナダ産の鉄鋼とアルミニウムへの大幅な関税引き上げや、カナダから供給される電力に追加関税をかけると脅していたがこれらを撤回した。これを受け、カナダ・オンタリオ州は米国向け電力に割増料金を適用する措置を停止した。

場当たり的な関税の脅しで市場は11日も大幅に値下がりした。ラトニック米商務長官とオンタリオ州のフォード州首相は13日に会談し、自由貿易を定めた米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)について再交渉を行うと明らかにした。

オンタリオ州は米ニューヨーク州、ミネソタ州、ミシガン州に輸出する電力への25%の割増料金適用を停止することで合意した。トランプ氏はこれより前、カナダ産の鉄鋼とアルミニウムに50%の関税をかけると迫り、同国との間で生じかけた貿易戦争を著しく激化させていた。これはオンタリオ州による割増料金への報復措置だったが、トランプ氏はこの後、関税の撤回を示唆した。

ホワイトハウスで記者から上記の50%の関税は依然として発効予定なのかと問われたトランプ氏は、明言を避けて「後で知らせる」と答えた。この発言の直後、ホワイトハウスの通商担当大統領顧問、ピーター・ナバロ氏はCNBCとのインタビューで、トランプ氏が言及した関税の引き上げは実施されないことを確認した。

その代わり米国が輸入する全ての鉄鋼・アルミニウムに対しては、カナダ産を含めて25%の関税を12日午前0時から適用する。ホワイトハウスのクッシュ・デサイー報道官がCNNの取材に電子メールの声明で明らかにした。

カナダ産鉄鋼とアルミニウムに50%の関税をかけるとしたトランプ氏のSNSでの発表当初、株式市場は急激に値下がりしたが、ラトニック、フォード両氏の共同声明後には徐々に持ち直した。ダウ工業株平均も下落に歯止めをかけたものの、それでも前日を下回った。トランプ氏が11日、ホワイトハウスの外で株式市場に何が起きても気にしないと発言した影響とみられる。

ダウはこの日、478ポイント(1.1%)下落して取引を終えた。より幅広い銘柄で構成されるS&P500は0.8%下げて調整局面に近づいた。既に調整局面入りしたハイテク株中心のナスダック総合指数は0.2%下落した。

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