「ウクライナ兵はクルスクで包囲」、トランプ氏が再度主張 ウクライナ側は疑義
(CNN) トランプ米大統領は17日、ロシアのプーチン大統領と18日午前に電話会談を行う意向を記者団に明らかにした際、ロシアがクルスク州のウクライナ兵を「包囲」したとするプーチン氏の疑義のある主張を繰り返した。
トランプ氏は文化施設ケネディ・センターを視察中、「明日、ロシアのプーチン大統領と協議する。深刻な窮地にある兵士たちの一部を救うためだ。彼らは実質的に拘束下にあり、ロシア兵に包囲されている」と発言。そのうえで、クライナ兵は包囲されていると再度主張し、自身がいなければクライナ兵はもはやこの場所にいないと続けた。
ウクライナ軍はクルスク州で劣勢だが、ゼレンスキー大統領や軍事専門家からは、ロシア軍がウクライナ兵を包囲したとのプーチン氏の主張を疑問視する声が出ている。トランプ氏は14日にも、SNS「トゥルース・ソーシャル」でプーチン氏の主張をなぞっていた。
ウクライナ軍は「クルスク地域でウクライナ軍の部隊が『包囲』されているとの報道は虚偽であり、ロシア側が政治的な情報操作及びウクライナやその支援国への圧力を目的にねつ造したものだ」としている。
ウクライナへの支援や情報共有を一時停止したことでウクライナ軍はクルスク州から退却せざるを得なくなったのではないかと問われると、トランプ氏はためらいを見せ、記者団に「実態はまったく逆だ」と主張した。
「あそこでは多くの人が殺されており、我々はウクライナ側に正しい対応を取るよう促す必要があった。簡単な状況ではなかった」とトランプ氏は説明。「ホワイトハウス執務室でその一端が垣間見えたと思うが、いまは彼らも正しいことをしていると思う。我々は和平合意の実現に取り組んでいるところだ」としている。