不透明感増すトランプ関税、政権当局者の発言は
(CNN) トランプ米政権による「相互関税」をめぐり、スマートフォンや半導体を含む主要な電子機器が除外されることが先週末に明らかになった。米国のテクノロジー業界では楽観的な見方が高まったが、政権当局者は、除外について明確な説明を行っていない。
ラトニック商務長官は13日、ABCニュースの番組に出演し、この除外は一時的なものであり、今後数カ月以内に電子機器を対象とした新たな関税が適用されるとの考えを示した。
政権当局者は、除外について明確な説明を行っていないが、半導体輸入が国家安全保障に与える影響について検討したうえで電子機器に特化した関税を課すことになると強調している。
ハセット国家経済会議(NEC)委員長はトランプ大統領が90日間の相互関税停止措置を取った後、少なくとも130カ国が米国と貿易協定の締結に向け交渉を進めていると語った。一方、中国との協議は「もし行われているとしても、まだ初期段階にある」と述べた。
関税政策を担当するナバロ大統領上級顧問はNBCの番組に出演した際、中国との貿易戦争が深刻化する中で新たな協議が行われているかどうかについては言及しなかったが、協議への参加は歓迎されており、トランプ氏は中国の習近平(シーチンピン)国家主席と「良好な関係」にあると語った。
一方で、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は、トランプ氏の関税に対する「一進一退」的なアプローチを強く批判。「5日後のルールがどうなるか誰も分からない。5年後などなおさらだ」と述べた。
また、サマーズ元財務長官はCNNの番組で、今回の関税政策は第2次世界大戦以降で「経済政策によって自ら招いた最悪の傷」だと断じた。
億万長者の投資家レイ・ダリオ氏は、米国は「景気後退に極めて近づいている」と指摘。同氏は、トランプ氏の貿易政策について今のところ「大きな混乱を招いている」としながらも、「これはプロセスの一部である可能性もある」と認めた。