米が憂慮する金正恩氏の「安定度」 実権を握るのは誰か
同氏によれば、父の金正日(キムジョンイル)総書記が死去した際に正恩氏と共にいた軍の高官3人が、今は1人もいなくなり、どうなったかも分からないという。
「これは正恩氏が実権を握っていることを示すものかもしれないし、28歳の人物が国を支配することを快く思わない人物がいることを示す体制内部の動乱の兆候かもしれない」とチャ氏。
元駐韓国大使のドナルド・グレッグ氏は最近接触した北朝鮮の関係者から、「彼らは外交に見切りをつけ、軍が実権を握るようになった」と伝え聞いたという。
「彼らが望んでいるのは、白紙化した休戦協定を脱して平和条約を成立させるための交渉だ」「そのことについて話し合う用意のある相手には耳を傾ける。だが、核廃棄を交渉の条件とする、彼らに言わせれば古いやり方では、交渉は実を結ばないだろう」(グレッグ氏)
グレッグ氏は、北朝鮮との間で新たな交渉に臨むべきとの考えだ。一方、チャ氏は、核とミサイルの実験を行った直後という今のタイミングで交渉は難しいと述べ、「今後数カ月は大きな困難な予想される」との見方を示している。