シリアで化学兵器使用か、政府と反体制派が双方を非難
(CNN) 内戦が続くシリアで19日、アサド政権と反体制派の双方が、化学兵器を使ったとして互いを非難した。米下院情報委員会議長は同日、シリアの内戦で化学兵器が使われた可能性が大きいと発言。ただしまだ最終的な確認が必要だとしている。
シリアの国営メディアは政府当局者の話として、反体制派が北部アレッポの郊外で19日に化学兵器を使ったミサイル攻撃を仕掛け、少なくとも25人が死亡、110人以上が負傷したと伝えた。
一方、反体制派はこの情報を否定。首都ダマスカス東部で「化学兵器を使ったロケット弾の集中砲撃」があり、多数の死傷者が出たとして政府を非難した。
シリア情報相は、アレッポ郊外で使われたミサイルはシリア国内から発射されたが、発射装置は他国のものだったと言明。「カタールなどの国でこの兵器に資金を提供した者、およびこの兵器をシリアに持ち込んだ者は責任を問われなければならない」「先のアラブ連盟会合でこの決定をした者は、大量殺戮と破壊兵器使用の責任を問われる」と強調した。
一方、シリア反体制派の軍事部門トップは、反体制派は化学兵器を製造するための化学物質も設備も持っていないと反論。「そうした兵器を持っているのは政権側であり、その所在は周知の事実だ。政府は化学兵器ミサイルの製造工場を持ち、シリア国内でそれを使用できる能力がある」と訴えた。
反体制派の地域調整委員会(LCC)によれば、ダマスカス東部の砲撃では多数が呼吸困難や吐き気、頭痛などの症状を訴えている。同地でこうした症状が確認されたのは今回が初めてだという。