水没する炭鉱の町、10年で10万人が強制移住 中国
石炭企業が移住する人々にいくら支払うべきかの指針は法律によって定められているものの、それに付随する問題については考慮されてはいないようだ。
匿名を希望した地元当局者は「陥没穴の問題は村人を移住させ、穴を埋めるといったことよりもっと複雑だ。多くの深い陥没穴は10年にわたって沈み続けている。いつ処理するのがいいのか分からない。さらに、人々を移住させたとしても移住先でも政府からの支援が必要だ」と語る。
冒頭のシャオさんは、新しい家に移住したことで、夕食のメニューに影響が出た。家で豚を飼ったり、野菜を育てたりできなくなったからだ。
別の村人は新しい土地で仕事を見つけられずにいる。食べ物の屋台をやっているコンさんは「新しい家は一番近くの町まで約32キロ離れている。ちゃんとした仕事を見つけるのは難しい」と語った。
シャオさんは「若い人たちは大都市へ行き、工場での仕事を探す。残った人たちは食堂のような零細企業をやっている。次の世代に、農業のやり方を知っている人間はいなくなるだろう」と肩を落とした。