スーチー氏、23年越しの「サハロフ賞」受賞
(CNN) ミャンマーの野党指導者アウンサンスーチー氏(68)が22日、フランス・ストラスブールの欧州議会で、思想の自由を守る活動に貢献した人物に贈られる「サハロフ賞」を受賞発表から23年ぶりに受け取った。
スーチー氏は軍事政権下で長年の自宅軟禁下に置かれて1990年の授賞式には出席できず、2010年にようやく解放された。
ミャンマーはテインセイン政権下で民主化が進んでいるが、スーチー氏は現状について、「1990年に比べれば進展したが、まだ十分ではない」と指摘。「国民は自由な思考が可能だと知ったばかりだが、自由に思考する権利、良心に従って生きる権利はまだ100%保障されていない。私たちは、良心に従って生きる権利が憲法で保障されるまで懸命に努力しなければならない」と力を込めた。
サハロフ賞は、旧ソ連の物理学者で人権保護活動家だった故アンドレイ・サハロフ氏にちなんで創設された。スーチー氏はサハロフ氏について、「人権と思想の自由の素晴らしい擁護者だった」と振り返った。
さらに、ミャンマー民主化運動の主な目標は、軍と民主化運動との間などで和解をもたらすことにあると述べ、そのためには国際世論の後押しが必要だと強調。「国際世論の重さは計り知れない」「ほかの人たちの考えを無視できる場所は世界中のどこにもない」と訴えた。