中国が画像公表を逡巡?、衛星能力秘匿で マレーシア機不明
(CNN) 中国当局が12日、消息不明のマレーシア航空機の残骸の可能性がある複数の漂流物をとらえた衛星画像を発表した問題で、米国家運輸安全委員会(NTSB)の元幹部は同日、画像の公表が遅れた印象があることについて中国政府が自国の衛星探知能力をさらけ出すことを逡巡(しゅんじゅん)した可能性があるとの見方を示した。
同航空370便が音信を絶ったのは8日未明で、今回の画像は9日に撮影されていた。
NTSBのピーター・ゲルツ元幹部は、中国の衛星がどこを監視しているのかを知られるのを避けた可能性があるともした。同幹部はNTSBに在職中、中国政府と折衝する役目を担ったことがある。
中国の国家国防科学技術工業局が公表した衛星画像の撮影海域はタイ湾と南シナ海が合流するあたりで、東経105.63度、北緯6.7度の場所。同機が離陸したマレーシアの首都クアラルンプールからは北東へ離れた海域となっている。
見付かった漂流する物体は3つで、大きさはそれぞれ13×18メートル、14×19メートル、24×22メートルだった。
ゲルツ氏は、この物体について同機の音信途絶を解明する最も有望な手掛かりに成り得るとの見方も示し、回収のため現場海域への航空機や船舶の早急な派遣を促した。発見海域が同航空370便の航路と符合していることなどを根拠にしていた。また、物体の発見を受け、370便の交信断絶の原因が人的要因によるものではなく、航空機器の不具合などだった可能性が改めて浮上したとも説明した。