中国に広がる草の根運動、一党独裁の足元で育つ市民社会
さらに、ネット上の動きは、現実の政治にも変化をもたらそうとしている。
1989年、天安門事件勃発時に取材にあたったマイルズ氏は、当時と比べてもはるかに急速度で社会運動が組織されるようになってきたのを実感しているという。
社会的な事件にまつわる情報や運動を公にコントロールするのは難しくなっているが、それだけに当局は、NGOを登録下に置こうと躍起になっている。
中国政府によるこうした歩み寄りの動きについて、マイルズ氏は治安管理が目的ではないかとみている。その一方で、運動の当事者にとっては助けとなっている面もあるようだ。
「フリーランチ運動」の鄧氏は「財源をコントロールしているのは政府であり、どの学校に手を差し伸べることができるかどうかを決定するのも政府だ」と述べ、当局の支援の重要性を指摘した。