離婚申請は「1日限定15件」、当局対応で物議 中国
北京(CNN) 中国北西部にある西安市の一部地区の民生行政当局が2012年3月以降、夫婦の離婚申請の受け入れを1日「15件」に限定していることが21日までにわかった。
受理を拒否されたカップルが最近、国営メディアに実態を暴露して、全国的な議論を招いていた。遅く来て、枠から漏れた夫婦は明日また一緒に来なさいなどと告げられていたという。
批判などを受けた同地区の結婚登録業務担当の責任者は国営メディアに、「衝動的な離婚を阻止し、家族を守るための対策」と弁明。「申請が受理されたカップルの一部が申請を取り下げた事例もある」と説明している。
また、結婚の神聖さを保つための手立てと主張し、一部の夫婦を救った側面もあるなどとして謝罪はしないとの立場を維持している。
この規則が功を奏したのか、申請件数は2年連続で減ったという。規則を打ち出す前、1日当たり提出されていた申請の数は伝えられていない。同地区は都市部に位置し、住民は100万人以上。
中国の地方自治体当局が結婚の破綻(はたん)を防ぐため奇抜とも言える措置を講じたのは西安市が初めてではない。東部の徐州市では今年2月、バレンタインデーに離婚申請を受け付けないことを決め、論議を招いた。同市の人口は約900万人。
中国政府の統計によると、離婚率は近年急増している。西安市では昨年、1万7670組が別離を決めた。全国的には約350万組。いずれの数字も前年比で10%以上の増加だった。
離婚激増の背景については様々な見方が出ている。結婚した女性の約4分の1が家庭内暴力の犠牲者との政府報告書と関連付けたり、主要都市が打ち出す一家による家屋購入件数の制限をかいくぐる「偽装離婚」を報じる多数のニュース記事に注意を向ける指摘もある。