狂犬病で5人死亡、犬4900匹を処分 中国
香港(CNN) 中国南西部・雲南省の保山市で狂犬病のために5人が死亡したことを受け、市当局が約4900匹の犬を殺処分したことが9日までに分かった。新華社通信が伝えた。
新華社によると、8月に4人が狂犬病で死亡し、7月にも犬に噛まれた1人が死亡した。
このため市当局は狂犬病対策キャンペーンに乗り出し、犬4900匹を処分するとともに、10万匹にワクチンを接種した
中国では東部の山東省で2006年に少なくとも16人が狂犬病で死亡している。しかしこの5年間は流行の発生はまれだった。
中国の野犬は狂犬病の流行を防ぐために殺処分されることも多い。しかし犬を飼う人が増える中で、愛犬家などが殺処分に対する非難の声を強め、ワクチン接種や避妊・去勢の呼びかけを行っていた。
世界保健機関(WHO)によると、狂犬病のウイルスは、動物に噛まれたり引っかかれたりすることによって人間に感染する。ウイルスが中枢神経に入ると脳や脊髄(せきずい)が炎症を起こして死に至る。
しかしワクチンの連続接種を受ければ発症を抑えて死を食い止められるという。