買い物客か密輸業者か、中国人留学生の「代購」ビジネスとは
コンサルティング大手のベイン・アンド・カンパニーの調べによると、ブランド品購入に最も支出しているのが中国人で、世界の高級品購入の29%を占めている。
海外旅行者が代理購入する例が主だが、張氏のような留学生の買い手も増えてきた。ニューヨーク、ロンドン、パリ、東京といった大都市で勉強する若い中国人留学生が、こうした代理購入ビジネスを即席で立ち上げており、「並行輸入」とも言われる。
張氏は、短文投稿サイト「微博(ウェイボー)」やメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」に月に1回、最新商品の写真を掲載し、顧客を募っている。顧客の側では、代購の手数料も含めた金額を銀行振替で送金する仕組みだ。
多い時は月に6個のバッグを買い付け、これまで約50人の顧客のために代理購入してきた。
一方、パリを拠点にする李氏は、フランスの店舗を中心に買い付けし、月に6000ドル以上を稼ぐ。経営学修士(MBA)課程を修了しているが、今のところ、代理購入以外のキャリアを追求する気はない。「ブランド品が好きだし、代購は他の仕事よりも簡単」と話す。
ただ、代理購入ビジネスは不安定だ。