買い物客か密輸業者か、中国人留学生の「代購」ビジネスとは
特に、習近平(シーチンピン)国家主席が推進する反汚職運動の影響により、中国でぜいたく品の売り上げが急激に落ちたことから、李氏の仕事も打撃を受けた。
「ぜいたく禁止令」の徹底を受けて、自己顕示や官僚への贈答用にブランド品を購入する中国人顧客が減ったためだ。
さらに、これまで当局の警戒をかいくぐって行われてきた代理購入ビジネスだが、ついに関税当局の目にとまり、規制のメスが入りつつある。中国税関総署は8月1日、「国境を越える電子商取引」に従事する個人に対し、輸出入品リストを提出するよう定めた。従わない場合は密輸とみなされる場合もある。
法を犯すリスクを取ってまで代理購入ビジネスを続ける留学生は少ないだろうとの見方もあるが、張氏も李氏も意に介さない。
李氏は「密輸だと証明することはできない。製品は合法的に購入している」と話す。張氏も、代購はあくまでアルバイトに過ぎないとしながらも、これだけ割の良い副業をすぐにやめる気にはなれないそうだ。
中国の就職事情は厳しく、本国で働き口をみつけるのは留学生でも難しいという事情もあるという。