エボラ熱阻止で全住民の外出禁止を開始、シエラレオネ
(CNN) アフリカ西部のシエラレオネで19日、エボラ出血熱の感染を阻止するため国民に3日間の外出禁止を求める措置が始まった。この間、ボランティア計約7000人が全国で戸別訪問してエボラ熱予防法や症状の識別方法などの説明に当たる。
イスラム、キリスト両教徒に対しては家内で礼拝するよう促している。同国のカヌ情報通信相は外出禁止令について「病人を発見し、健康な住民から引き離すための最良の措置」と説明。禁止令に違反した場合の処罰内容には触れなかった。
ただ、国際医療組織「国境なき医師団」は、強制的な隔離措置と外出禁止令は住民を隠れさせ、健康衛生当局との間の信頼感も危うくすると批判。結果的に症状の隠匿につながると警告している。
シエラレオネは、ギニアやリベリアと共にエボラ熱の被害が甚大となっている。3カ国での犠牲者数は少なくとも2400人。リベリアの首都モンロビアにある一部の貧困地区でも今年8月、外出禁止令が敷かれたが、暴動も招いていた。
カヌ情報通信相によると、ボランティアは若年層が中心で、健康衛生従事者や医学部学生、看護師らから成る。ボランティアは顔見知りの住民に対応するためいざこざの発生は少ないと主張している。
しかし、国境なき医師団は戸別訪問で患者の有無を調べるには一定水準の技量が必要で、極めて困難な作業になると指摘。さらにエボラ熱発症の潜伏期間は2~21日間とされ、3日間の外出禁止令に伴う戸別訪問での感染拡大の阻止を疑問視している。