太地町のイルカ漁に反対活動 地元は「妨害」と反発
(CNN) 和歌山県太地町でイルカの追い込み漁が解禁になり、今年も漁に反対する欧米の活動家と、イルカ漁は昔からの伝統だとする地元との対立が起きている。
太地町のイルカ漁シーズンは毎年9月~3月。県の割り当てに従って約2000頭の捕獲が認められている。捕獲したイルカは食用として流通するほか、各国の水族館にも販売される。
世界の注目が集まったのは2009年の映画「ザ・コーヴ」がきっかけだった。環境保護団体シー・シェパードの活動家は5年前からシーズンになると太地町に姿を現すようになり、実況中継やソーシャルメディアを使ったキャンペーンなどの反対運動を展開。キャロライン・ケネディ駐日米大使などの有名人も反対を表明した。
シー・シェパードのメリッサ・セーガル氏は、「イルカは優しくておとなしい種なのに、生きていくために戦い、苦しみ続けている」と主張する。
一方、和歌山県はCNNの取材には応じず、ウェブサイトに掲載した県の見解を紹介した。同サイトは太地町について、「捕鯨発祥の地として約400年の歴史があり、鯨やイルカを捕って生き、栄えてきた町」「今でもイルカ漁は地域の人々が生きていくための産業として欠かすことのできないもの」と解説している。
しかしセーガル氏は特に、イルカを入り江に追い込んで捕獲する追い込み漁をやり玉に挙げ、「野蛮」と非難する。
これに対して太地町の漁業組合は、以前より人道的な技術を使うようになったと反論していた。