ISIS、同じスンニ派部族の50人を拉致・殺害か
バグダッド(CNN) イラク西部アンバル州のヒートで1日未明、イスラム教スンニ派の部族、アルブニムル族の男性約50人がスンニ派の過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に連れ去られた。部族指導者がCNNに語った。
ISISのメンバーが民家を襲い、就寝中だった男性らを拉致したとみられる。部族指導者によれば、男性らは殺害された恐れがある。
アンバル州はスンニ派が多数を占める地域で、首都バグダッドの西方に位置している。ISISが先月シリアから侵攻し、地元部族との数週間にわたる戦闘の末に州の大半を占拠した。州都ラマディとヒートでは部族が抵抗を続けてきたが、武器や物資が底をつきかけている。
同指導者は、アルブニムル族はヒート奪還に向けて戦い続けると述べる一方、イラク政府や米軍の支援が必要だと強調した。
アンバル州では2006年、アルブニムル族などの部族勢力が米軍の支援を得て国際テロ組織アルカイダの掃討にあたった。米政府はISISに対する掃討作戦でも部族勢力を支援する必要があるとして、イラク政府からの武器提供などを呼び掛けてきたが、イラク側はまだこれに応じていない。
イラク高官がCNNに語ったところによると、ヒート近郊では最近、ISISに連れ去られたとみられるアルブニムル族の住民約200人の遺体が見つかっている。これとは別に部族民48人がヒート市内を連れ回され、公開処刑されたとの情報もある。ラマディでも大量の遺体が発見され、処刑場面がインターネット上に公開された。
米国務省のサキ報道官は、ISISの行為を強く非難する声明を出した。