マレーシア機撃墜、ウクライナで残骸回収が始まる
(CNN) オランダ安全委員会は16日、7月にウクライナ東部に墜落したマレーシア航空機の残骸を回収する作業が始まったと発表した。
同機はウクライナ上空で撃墜され、親ロシア派が制圧する同国東部に墜落。親ロシア派の武装勢力とウクライナ政府軍の戦闘のため安全が確保できず、国際調査団が現地入りできない状況が続いていた。
同機に乗っていた乗員乗客298人は全員が死亡した。犠牲者の約3分の2はオランダ人だった。
回収した残骸はまずウクライナのハルキウに運び、オランダに持ち帰って墜落原因の究明に当たる。作業には数日かかる見通しで、毎日安全状況などを見極める。
犠牲者の遺体は既に大部分が回収され、ウクライナ国外に搬送された。しかし38人が犠牲になったオーストラリアのアボット首相は9月の時点で、現場にはまだ遺体が散乱している可能性が大きいと語っていた。
事件を巡って欧米諸国やウクライナ政府は親ロシア派がマレーシア機を撃墜したとみているが、親ロシア派やロシア政府はこれを否定している。オランダ当局は9月に発表した中間報告書で、同機は「高エネルギー物体」に撃墜されたと断定。残骸の詳しい調査や外部から打ち込まれた物体があるかどうかなどの調査が必要だと指摘していた。
現場では武装勢力が物品を略奪したり、証拠の改ざんや調査妨害を図ったりしたと伝えられている。